姓名鑑定の「凶」は怖がるだけじゃもったいない—吉凶の意味を先生に教わった話
姓名鑑定を始めてみて、最初にぶつかった壁があります。
凶とされる画数の説明が、あまりにも強烈なのです。
「不運が重なり、悲痛な窮迫に陥る」
「逆境の相で、暗い人生を送りやすい」
「困難や障害の多い凶運」
「災難・凶禍の暗示があり、もの皆破れる」
元気になってもらいたくて鑑定しているのに、これをそのまま伝えたら逆効果になる…とモヤモヤしていました。
「凶」は、落とし穴?お弔いのおまじない?
「凶」という漢字は、一般的には「地面の落とし穴に何かがはまり込んだ状態」が成り立ちだと言われています。
一方、人が亡くなったときに胸に「✕」を描き、悪い霊が体に入り込まないようにおまじないをしたことが由来で、死にまつわる言葉だから「悪いこと・禍(まが)ごと」の意味になったという説もあります(※1)。
私は後者の説の方が温かみを感じて好きです。
「凶」という漢字自体が大切なものを守ろうとする行動から生まれているのだとしたら、怖がるだけではもったいないですよね。
吉凶の由来は「陰陽五行説」と「易経」
モヤモヤを解消したくて、基本的な考え方について先生にそのまま質問してみました。
教わったのは、姓名鑑定における吉凶のベースが古代中国の陰陽五行説と易経にあるということ。
東洋思想において最も良いとされるのは「強くて完璧な状態」ではなく、過不足のない「調和(中庸)」の状態です。
吉= 陰陽のバランスが取れていて、エネルギーがスムーズに流れている状態
凶= 陰または陽のどちらかに極端に偏り、エネルギーが強すぎたり滞ったりしている状態
「物極必反(ものきわまればかならず反す)」という言葉があるように、太陽が昇りきるとあとは沈むだけです。
陽のエネルギーも強くなりすぎると、一転して凶に傾いてしまいます。
つまり、凶とはその数字自体が悪いのではなく、「エネルギーのバランスが偏っていますよ」というサインに過ぎないということでした。
自分なりの解釈:凶は「行動を変えるヒント」
先生の説明を受けて、私はこう整理してみました。
- 陽が極まっている凶(陰が少なすぎる状態)
→「陰」の行動を意識してみる(例:受け入れる、話を最後まで聴く、ひとり時間を持つ) - 陰が極まっている凶(陽が少なすぎる状態)
→「陽」の行動を意識してみる(例:自分から差し出す、自分の考えを伝える、人と会う)
先生にこの解釈をお伝えしたところ、「その解釈で完璧です!」と言っていただき、すっきりしました。
おわりに:吉凶は「善悪」ではない
吉凶を「善悪」ではなく、「本来の調和に戻すためのヒント」として捉えると、怖いものではなくなります。
「ここが偏っているんだな、じゃあどうしようか」という時に、自分の行動を変えるためのヒントとして使えるのです。
元気になってもらいたくて始めた鑑定の学びが、少し前に進んだ気がしました。
※1 白川静『常用字解』第二版、平凡社、2012年、p.134
