「怒り」はただの厄介者じゃないー仲間はずれにせず、共存するには
「こんなことでイラッとするなんて、心が狭いよね…」
「仕事だし、このくらい我慢できなきゃ」
対人関係や仕事の中で、ふと湧き上がった怒りに慌てて蓋をして押し込めようとすることはありませんか?
周囲に配慮することや、責任感を持つことは大切です。
でも、湧き上がる感情をすべて一人で我慢し続ける必要はありません。
「怒り」は「うれしい」「悲しい」「怖い」「好き」「嫌い」と並ぶ、私たちが生きていくために必要な感情のひとつです。
苦しさを伴いネガティブなイメージの強い「怒り」ですが、ただの厄介者にせず、上手に付き合い、時には味方につけて共存していく方法を考えてみます。
怒りを仲間はずれにしない
私たちの心は、特定の感情だけを都合よく消すことはできません。
「怒っちゃダメ」と感情を無理に押し込めようとし続けると、次第に感情が麻痺し、喜びさえも感じにくくなってしまうことがあります。
感じてもらえず行き場を失った感情は、心身に大きなストレスとなります。
ストレスが自律神経の乱れを引き起こし、肩こり・頭痛・胃痛・不眠といった体の不調としてサインを出すことも少なくありません。
まずは、
「ああ、今、私は怒っているんだな」
と怒りの感情の存在を否定せずにそのまま認めてあげることが、心が静まる第一歩です。
怒りが教えてくれる「自分の大切なもの」
怒りは、私たちをただ苦しめるために湧いてくるのではありません。
自分の心のメンテナンスが必要な場所や侵害されている境界線を教えてくれるセンサーの役割を持っています。
立ち止まり、一歩引いた視点で自分と向き合ってみると、怒りの奥にこんなものが隠れていることに気づくことがあります。
- 握りしめていた「〜すべき」
例:「もっと配慮すべき」
「連絡はすぐ返すのが当たり前」 - 怒りの下にある本当の気持ち
例:「大切にされなくて傷ついた」
「悲しかった」
「この先が不安だった」
「私はこれを大切にしたかったんだな」
「ちょっと理想を握りしめすぎて、自分を苦しめていたかも」
と気づいてあげると、心はふっと緩まり楽になります。
その上で考える対処法こそ、自分にとって本当に有効で現実的なアプローチになります。
「感じること」と「ぶつけること」は別物
怒りを感じてその存在を認めることは大切ですが、それを人に直接ぶつけることは全く別の話です。
どれほど嫌な相手や出来事がきっかけだったとしても、感情のまま相手を攻撃してしまえば、怒りと攻撃の連鎖を生むだけで、根本的な解決にはなりにくいものです。
「あの人のせいでイライラさせられた」
と思っている間は、自分の感情のハンドルを相手に渡してしまっている状態。
他人の行動は変えられなくても、自分の反応やこれからの行動は自分で選べると捉え直すことは、決して損なことではありません。
他人に振り回されず、自分の安心や自由を取り戻すことでもあります。
ただし、理不尽なハラスメントや劣悪な環境に苦しんでいるなら、その環境から物理的・心理的に距離を置くことや、正当な窓口に相談することが先決です。
一人で抱え込まずに、プロや第三者を頼っていい
怒りを感じた時、頭の中だけで考えていると、どうしても思考が堂々巡りしがちです。
そんな時は、以下のような選択肢を持っておくといいですよ。
- ノートに書き出して、客観的に眺めてみる
思いをただ書き殴るだけだとイライラが増幅してしまうことがあるため、「事実」と「自分の感情」を分けて整理するように書くのがコツです。 - 信頼できる人に話してみる
- カウンセラーなどの専門的なサポートを受けてみる
書くことも、話すことも、怒りを一旦自分の外に出しすことになりますので、冷静に考えやすくなります。
怒りは、現状をより良く変えていくための強いエネルギーでもあります。
ただ排除するのではなく、その存在を認めると、自分が本当に大切にしたいものに気づくことができます。
そして、適切な自己主張や、環境を変えるための建設的なパワーになってくれます。
自分の怒りを味方につけ、共存していけたら、より自分らしくご機嫌でいられそうですね。
